2020年1月に中古で購入したアンタレスDCMD。この一年半弱で色々な釣行で使ってきた。釣行後は毎回水洗いして注油を欠かさないのだが、流石に一年以上使用すると表からは見えない部分の劣化が気になる。
また、ここ数ヵ月どうもハンドルを回した際の「遊び」が大きい。いわゆるゴリ感・シャリ感ではないけれど、使い始めはこんなにカタカタ言わなかった気がする…
そんなこんなで、以前から興味のあったベイトリールのオーバーホールをやってみようと思い立つ。自分でバラしてしまうと正規のサポートが受けられなくなるリスクもあるが、やってしまえば今後のメンテは全て自分でできるようになる。加えて、リールの構造も理解できるようになる。愛着のあるリールだからこそ、その内部から構造を理解し、自分のモノにしたい。てな訳で、勇気を振り絞ってバラしていくっ。
愛ゆえに中まで知りたい、的な(w。
目次
予習スル。
少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。メンテナンスで実際に手を動かす前に、同様の事例が無いか情報収集してみる。と、お誂え向きにYouTubeコンテンツがいくつか見つかった。
先ずはこの動画。DCMDのギアボックス分解から洗浄、組み立てまでの工程を説明した内容で、今回のテーマにドンピシャ。分解時のパーツの並べ方や、リール内部へのグリスの塗り方など、非常に参考になった。
もう一つはコレ。Fishman西村氏によるカルコンのオーバーホール動画。機種は違うけれど、同じシマノのリールなので機構的に類似箇所が多いし、ニシニシらしい拘りが面白い。パーツクリーナーとかオイルストーンとかは、この動画見て買い込んだ。製氷皿も使ったさ😁。
予習段階で押さえるべきポイントは、先ず工程の全容を把握する事。大まかで良いので、各工程がどのような順序になるのかをイメージしておく。また、必要な工具は買い揃えておく事。DIY好きなら手持ちの工具でもムリクリやれない事はないのだが、やはり細かい部分は専用工具があった方が便利。大切なリールを傷つけないように、最低限のメンテナンスグッズは予め買っておくことをオススメする。実際使って便利だったのは、各部ビス用プラス&マイナスドライバー(#00~#1番)・ハンドル固定ナット用トラストレンチ・細かい部品を扱うためのピンセット等。
人により使う工具は様々だけど、これくらいは揃えとくといいよ。
目標をキメる。
オーバーホールと言っても、どの程度までやるかで内容と手間は変わってくる。今回は自力での初オーバーホールという事もあり、あんまり細かい部品まで分解はせず、主に以下の目標を達成する事にした。
- ギアボックス内の主要ベアリングの回転チェック&洗浄
- ドライブギア固定ボルトの弛みチェック
志は低く。小さな事からコツコツと。
一点目は主要可動部分の経年劣化への対応。二点目は気になるハンドルカタカタへの対応。分解図から察するに、ドライブギアの固定ボルト(部品番号0042)辺りが弛んでいるのではないかと疑ってみた。
分解開始。
ギアボックス内部に到達するため、リールハンドルを外す所から始める。オーバーホールは今回が初めてだったが、実は前述のカタつきが簡単に直せないものかと思い、何度かハンドル~ギアボックス外側のベアリング辺りまではすでに何度か分解している。
ハンドルシャフト中心部についた傷は過去の分解時についたもの。家にあったモンキーレンチを使ったので、ナットを回す際に干渉してしまった。この種の傷は一度付いてしまうと直しようがない。今回は気にせず分解を進める。
まぁ多少お金を払っても専用工具は買っておくべきですな…
分解時の注意点としては、外したパーツを元の順番通りに並べておく事。アンタレスDCMDの場合、スタードラグ座金などには装着すべき向きがあるので、元の順番通りにしておくと、最後の組み上げ時に迷わなくて済む。部品着け忘れも防止できる。上記動画のように、製氷皿など区分けのついた道具を活用すると便利。
問題発覚。
今回は工具も買い揃えた事もあり、順当に分解は進む。分解図を片手にギヤボックスを貝割り。と、リールの心臓部であるドライブギアが見えた。うーん、ブラス製ギヤって見るからに重厚感あるね。溝の細かさがシマノの技術を物語る。
次いでドライブギア・ギア軸・カーボンワッシャーを分解。この時点では特に問題はなし。
いよいよ問題の核心に迫る。ベアリングとウォームシャフトギアをギア軸に留めるボルトを外していく。予想通りこのボルトが緩んで…はいないな。あれ、でも何か違和感…( ̄□ ̄;)ハッ!!
ベアリングが逝っとるやないかーーーーーー‼️ ガ━━(TωT|||)━━ン!!
何と、ドライブギア軸を受けるベアリングが大破。原因は不明だが、腐食か何かで壊れてしまっていたらしい。ハンドルカタカタの原因は恐らくコレ。そうでなくとも放置はできない。俄に部品調達の必要に迫られる。釣行は一週間後。うわっちゃー(泣)。
てな訳でメンテナンスは一旦中断。適合するベアリングをなんとか入手せねばならぬ。うーん、どうしよう。そんなこんなで、続く。
“リールをバラす。~アンタレスDCMDオーバーホール~ その1” への1件の返信