釣竿を持ち運ぶ際に必要になるのが、ロッドケース。近場の移動なら布製のバッグ等でも良いが、電車や飛行機で遠征する場合はある程度丈夫なケースが必要になる。また遠征時は往々にして、用途の異なる複数本のロッドを持ち運びたくなる。
市販のケースも色々発売されているが、自分のニーズに応えてくれる製品となると中々おあつらえ向きの製品が見当たらない。そこで地元の京丹後市への遠征を機会に、手持ちの竿を運ぶケースを自作してみることにした。と言っても、完全なDIYだとシンドイので、代用品とその組み合わせで何とかしてみようというのが狙い。
目次
アタシ的ロッドケースの要件
ケースの要件として先ず必要なのは、パックロッドが2セット収納可能なこと。具体的にはショートキャスト用のベイトロッド・ワールドシャウラツアーエディション1651Fと、ショアジギング用ロッド・Freegame XT S100MHが入る事。地元では磯でのキジハタゲーム、および大規模河川でのシーバスゲームをやる予定だったので、これら2本は必携。
当然水辺で使うので、防水性は必須。ロッドは水に濡れても傷む訳ではないが、ワーシャのグリップはコルクなので濡れると痩せてしまうので水濡れは避けたい。また、急に雨が降った場合も内側が濡れない方が望ましい。
重量は軽い方がいい。ランガンする時に都合がいいのは言うまでもないく、アタシはリュックに縛り付けて自転車で移動するスタイルなので、背負うものはできるだけ軽くしたい。
耐久性も必要。海釣りでは、防波堤・テトラ・磯など硬い面に荷物を置く事が多いし、ポイント移動する際も岩に擦れたり木の枝に触れたりする事もある。ロッドを傷から守り、外側からの衝撃を緩和できる素材である事が望ましい。
加えて、低価格でないといけない。ロッドやリールなど、主要なタックルにはある程度の投資をしても、アクセサリー類には必要十分なコストしかかけないのがアタシのポリシー。いくら軽量で丈夫だからと言って、ウン万円をケースに費やす積りはナシ。それに自作の場合は失敗する可能性もあるので、ダメになっても痛くない程度のコストで抑えたい。
候補1:専用ケース流用
上記要件を踏まえて、先ず候補になったのは竿に付属する専用ケースを流用できないかというアイデア。コレは自作にならないが、出来合いのものがあれば一番手間はかからない。Freegame XTのケースはロッドを収納してもまだ余裕があるので、ワーシャくらいなら何とか入る。
いかんせんこのケース、重い。硬い素材を使っているので耐久性はありそうだが、背負って移動するのはちとツライ。手持ち用ハンドルが一つついているだけなので、リュックに縛り付けにくい。表面がクロス張りなので雨にも濡れる。という事で却下。
候補2:フリーケース
次に考えたのはコクヨのフリーケース。本来は書類を持ち運ぶためのケースだが、頑丈でスリムなので携行性は高い。蓋と本体が紐で結束されているので、口を開けた時の蓋の落下が防止できる。アマゾンのレビューを見てみると、実際にロッドケースとして利用している人も居る。加えて価格も安い。
惜しむらくは、径が小さすぎる。バスロッド1セットなら丁度良いが、スピニングだとバットガイドが邪魔して入らない。複数本収納は望むべくもない、という事でこれも却下。ただ、ワーシャ1651fだけなら入るので、状況によっては使い途はある。
候補3:ボイド管
試みに「ロッドケース 自作」くらいでググってみると、よくヒットするのがボイド菅で自作したケース。本来工事で使う資材なので丈夫で安価、所有ロッドに合わせて長さもオーダー可能という事で、海外遠征組がよく作るらしい。
DIYするならボイド菅はアリかと思ったが、見かけが余りに男前過ぎる。ステッカー等を張って装飾する手もあるが、水に濡れることを考えるとあまり表面に色々張り付けたくはない。コレも却下。
結論: 大型アジャスタブルケース
そんなこんなで色々探しまくった後に見つけたのは、タケダのアジャスタブルケース。機能的にも価格的にもニーズを満たし、入手も容易という事で購入。
本来、設計書類を運搬するためのケース。ポリエチレン素材でできているのでそれなりに耐久性があり、軽い。防水性もある。ストラップも付いているので、持ち運びやリュックに括り付けるにも都合が良い。また、ケースの長さが640mm〜1010mmまで調整可能なので、ロッドの収納寸法によって長さが変えられる点も良い。内径90mmで太いので、件のロッドも両方入る。
大凡必要なスペックは満たしているが、デフォの状態では使い勝手が悪い面もあるので、少しカスタマイズを施す事にした。
カスタマイズ1:ロッドティップ&エンドの保護
先ず工夫した点は、耐衝撃性を上げる事。特に繊細なロッドティップの保護と、地面に置いた時の衝撃を和らげるようグリップエンドの保護はしっかり行う。アマゾンで何か使えるものが無いかと渉猟すると、丁度良い物が見つかった。工業用ウレタンフォーム。おあつらえ向きにも縦幅が20cm位なので、厚み5cm×2つのクッションが切り出せる。
カスタマイズ2:ロッド側面の保護
同じくロッド側面にも何か緩衝材的な物を入れたいと思ったが、ウレタンだと分厚すぎるし、接着が面倒くさい。どちらかというと、収納の都度、ロッドを厚めの布のような物で包んだ方が良さそう。何か無いか…と探しまくった所、ダイソーで良いものを見つけた。風呂場やキッチンで使う滑り止めマット。
コレもポリエチレン素材で軽く、水にも強い。耐衝撃性は高くは無いが、ロッドとケースが直接緩衝するのを防止できる。
カスタマイズ3:キャップ落下防止ランヤード自作
今回購入したアジャスタブルケースは、開閉時にキャップ部分が本体から外れる機構になっている。堤防や磯に持って行く事を考えると、キャップを外しても本体とは分離しない方が良い。という事で、両方を結ぶランヤードを手持ちのパラコードで自作してみた。
実際の使用感は?
こんな感じで作ってみたオリジナルのロッドケース。実際に使った所、中々使い勝手が良い。狙い通り全体が軽量なので、持ち運びが楽。その分ハードケース並みの頑丈さは無いが、プラスチックなので竿袋やソフトケースより外からの衝撃に強い。リュック側面に結びつければ自転車でも悠々運べる(多少嵩張るが)。
何回か遠征で使ってみたが、さほど不満は無い。強いて挙げれば、岩や護岸にぶつかるので、底面に傷は入りやすい。まぁどんなケースでも傷は付くので、気にするかどうかという所だが。
世の中にロッドは色々あれど、自分の釣りスタイルや使う本数に合わせたロッドケースとなると案外見つからない。そんな時は発想を変えて、自作してしまうのも一手。多少手間はかかるが、うまくいけばオリジナルで便利な道具を作る事ができる。いい道具を作るために色々工夫する事自体が楽しかったりする。機会があれば、是非チャレンジしてみてね👋