中禅寺湖釣行(敗戦)記

GW前の4月、ワーケーションで那須塩原にて滞在中、以前から気になっていた中禅寺湖での釣りに行ってきた。湖での釣りは初めてで、しかも釣り人の間では「聖地」扱いされる同湖は何とも敷居が高い気がしたが、何事も始めなければ始まらない

滞在先から少し距離はあるものの、懸念を押しのけてチャレンジしてみたのだ。後述の通り、釣果は散々だったのだけれど、今後同様に挑戦される方の参考、そして自分の今後の釣りの方向性を考えるため、情報をまとめておこうと思う。

きっかけ

中禅寺湖の釣りに興味を持ったきっかけは、一つにはFishmanの動画。同社CEOのケンさんが中禅寺湖には深い思い入れがあるという事で、タックルから釣り方から詳しく説明されていて参考になった。

中禅寺湖は、言わずと知れたレイクトラウトやブラウントラウトが釣れる。これらの魚種は、同湖に放流された外来の魚が自然繁殖したもので、アジア圏では中禅寺湖にしか居ないという話。希少な魚でもあるし、サイズや美しい魚体からしてもアングラー垂涎の的になるのは想像に難くない。

引用:釣りビジョンマガジン

タックル準備

狙いは定まったものの、やはり初めての釣りは具体的なタックルとして何を選んでいいのか見当がつかない。上記も含め、色んな関連動画やWebの情報を参考に、自分なりに装備を組み立ててみた。

まずロッドは8ft以上の長めが良い、と判断した。中禅寺湖は非常に広い湖で、オカッパリでやるならできる限り遠投できた方が有利というのが理由。また、使うルアーは20g前後が多いようなので、イメージ的にはシーバス釣りに使うような長尺ロッドが良い。手持ちの中で選んだのはFishman BRIST VENDAVAL 10.1M。Fishmanロッドの中でも一番長いクラスで、シーバス釣りでメインに使うようなウェイトのルアーが投げやすい。

色々情報を収集してみると、ラインは#1.0前後のPEを使うことが多いらしい。私自身はできる限り太糸を使いたいという理由と、既存資産の有効活用という理由で、いつも使っているよつあみの#1.5をチョイス。リーダーは少し細めを使うらしく、18lbくらい。普段PE#1.5には25lbのリーダーを合わせるのだけれど、まぁこの辺りはセオリーに従っておく。実際使用したのはDUELカーボナイロンの16lb。

一方、メインで使用するルアーはスプーン、特に独特なアクションをするスライドスプーンを使うのが中禅寺湖ならではのスタイル。ロデオクラフトのMKレイクス、シーレーベルのプロビアなどがこれに該当する。メインのルアーとしてはこのスライド系スプーンをウェイト・カラー別で揃えてみた。ウェイトの幅としては19g~23g、カラーは白系・赤金系・シルバー系という感じ。

他に有効なスプーンとして、ボトムを探るために使用するタイプがある。ボトム系で用意したのはロデオクラフトのNOA、スミスのヘブン。こちらは少し軽めで14g~で揃えた。

ロデオクラフトの商品はAmazonでも買えるけど、モノによっては別途送料がかかったり、そもそも欲しいサイズやカラーが無かったりする。個人的に調べた限りでは、ある程度の数を購入する場合、下記のような釣具店のECサイトを活用した方が、送料を加味してもお得かなと感じた。

ルアー選択に関してはFishmanの動画にも出演しておられたショータ・ジェンキンスさんの動画を参考にさせてもらった。彼は中禅寺湖の釣りで結構有名な人らしいですね。

結果は散々

今回4/20, 4/26の都合2回訪問してみたのだが、結果は2日ともボウズ。バイトすら得られないという悲惨な結果に終わった。

初日は初めての訪問という事もあり、勝手が全く分からず。駐車場の場所やシステムすら分かっていなかったので、かなりバタバタし、釣り場に入るまでにかなりの時間をロスしてしまった。釣り場到着後は一通りのルアーを投げて湖底~中層までを攻めてみたが、全く魚信なし。歩ける範囲であちこちランガンし、夕方のタイムリミットまで粘ったが、結局空振りに終わる😖。

2回目は、初日の経験を活かして駐車まではすんなり運んだものの、戦略ミス。なるべく遠くのポイントを攻めてみようと、狸窪辺りまで歩いてみたが、いかんせん遠かった。駐車場からゆうに一時間弱かかり、大事な早朝の時合を逃してしまった。「午前中釣れれば御の字で、午後は温泉でもつかってのんびりするか…」などという甘い目算は吹き飛び、結局この日も時間ギリギリまでランガン。そしてまたもや撃沈😭

目的地まで歩く途中、他のポイントで釣れていた人を見かけたので、場所に拘るより時合を優先すべきだったかな。策に溺れた感があるね…

ちなみに、中禅寺湖は大別して北の「国道側」と南の「山側」に分かれる。私が両日とも攻めたのは山側で、遠浅の国道側に比べて水深の深い地形が多い。明確な根拠は無かったけれど、深場の方が魚の回遊コースが多いように思ったし、最近は降水量が少なく湖の貯水量が減っていると聞いていたので、深場の方がチャンスがあるように思った。実際、ソコソコのサイズの魚を掛けていた人もチラホラ居たし、目視で岸際を泳ぐトラウトも確認できたので、魚は居るには違いなかった。

根掛かりハンパない

噂には聞いていたが、岸際で根掛かりが非常に多くて手こずった。両日でスプーンを合計6つもロストするという、近年稀に見る失態。中禅寺湖の地形の特色の一つは、岸際に水草が繁茂している事。それ故、粘ってボトム付近を手前までルアーを引いてくると確実に引っかかる。

レギュレーション上フックはバーブレスにしているし、草も柔らかいのでうまく対処すれば外れたりもするのだが、かかり所が悪いと厄介。ルアーを外そうと長い間ロッドやラインをパシパシやっていると、周囲の岩に擦れてPEからプッツリいってしまう。また、山側は前述の通り岸に近い部分から湖底が急に深くなっている。深い部分にルアーが掛かると、ラインに角度がついてこれまた手前の岩に擦れてあっさりブレイクする。

スライドスプーンを使った釣りでは、「ボトムを取った後、2回巻き&2秒落とし⇨もう一度2回巻き&2秒落とし⇨5回巻いてボトムまで落とす」というメソッドがセオリーとされる。感覚的には、岸から50-60mスプーンをキャストした後、「2-2-5」メソッドを2回も繰り返したら回収してしまった方がいい。「岸際は捨てる」事を意識しないと、釣りが成立しなくなってしまう。

とは言え、釣れない時ほど深場に魚が付いていそうな気がしてしまうんですな。

準備不足

釣りが失敗に終わったもう一つの大きな理由は、私の準備不足にもある。まず初日、メインロッドを宿に忘れる。上述のBRIST VENDAVAL 10.1Mを準備したのだが、こともあろうに車に積むのを忘れてしまった😅。

次に偏光グラスを家に忘れた。コレは単なるポカミスで、持ってくることさえ忘れてしまった。ひょっとしたら、根掛かりが多かった一因は偏光グラスが無かったせいかも知れない😣。

どうも私は昔から緊張すると視野狭窄気味になるらしく、出発直前の焦りと相まって忘れ物をする事が往々にしてある。この性格、直さねば。

「落ち着いてる割にそそっかしいね」と時々言われます…

もう一つの大きな失敗要因は、ポイントの研究不足が挙げられる。中禅寺湖にはポイントとなる箇所がいくつもある事くらいはざっくり理解はしていた。しかし、各ポイントの具体的な場所とか地形の特性などは全くと言っていいほど事前に調べなかった。地形図などは調べれば出てくるのだから、事前に確認して、せめてイメージくらいは掴んでおくべきだったな…

国土地理院 中禅寺湖 [PDF]

ところで、中禅寺湖の釣りって面白いの?

まかりなりにも実釣してみて、実際、中禅寺湖の釣りってどうなの?面白いの?という点を最後にまとめてみたい。何しろ釣果を上げられなかった人の意見なので、所詮は「釣れない言い訳」と思ってお読み下さい。

正直な所、「この釣りはちょっとビミョーかな」、と思った。理由の1つ目は、人の多さ。同湖は人気の釣り場だけに、平日でも早朝からかなりの数のアングラーが集う。自ずとどこへ行っても10数m間隔で隣の人と並んで釣りをするような状況になる。休日は釣りをする人の数がいや増しに増えるのに加え、観光客がかなり多い。日中になると駐車場はどこも満杯。少し遅めに現地入りした場合、釣り以外の部分で結構ストレスを感じる事になると思う。

誤解の無いように書いておくと、現場で出会った釣り人は皆マナーをしっかり守っておられる人ばかり。道をすれ違いざまに会釈してくれたり、釣りの最中でも声をかけてくれる人も多かったので、不快な思いなどは一切しなかった。ただ、自分が釣りに何を求めるかという点が大事。個人的には、完全に一人で自然と対峙するような釣りが好きで、言ってみれば社会の網目から外れた「ソーシャル・オフグリッド」とでも言うべき感覚を覚えたいがために釣りをしている面がある。

中禅寺湖は同地固有の魚が釣れる特別な環境で、ある種の「聖地」とも言うべき場所なので、人を惹き付けるのはやむを得ない。そもそも一人になりたいなんていう欲求をする方が間違いと言えるかも知れない。ただ折角時間とお金を費やすなら、「もうちょいのんびりしたいなぁ…」というのが率直な感想。

ビミョーと思う理由の2つ目は、中禅寺湖の釣りが多分にタイミングの釣り、そして体力の釣りである事。少ないながらも事前に行った調査からすると、釣れる人はかなりすんなり釣れるケースが多いように思った。一方で釣れない人は全く釣れず、数年通っても満足のいく釣果を得られない人も少なからず居られるという話。

現場での観察も踏まえて考えると、恐らく早朝4時くらいに短時間訪れる時合に、魚が回遊するポイントに入っていれば、比較的容易に成果は出るのかなという気がした(回遊ポイントって何処なのさ、という問題はあるけれど)。実際、昼頃になるとさっさと引き揚げてしまう人も多く、多くは早朝の時合に賭けているのではないかと思う。

早朝以外でも、昼前や夕方に釣れていた人を数人見かけたが、時合がいつ・何処で訪れるかは凡そ見当がつかないのではないか。となると、「自分の信じたポイントに入って回遊をひたすら待つ」という根気と体力で勝負をする他は無くなる。何だかショアジギで青物の回遊待ちをする、西湘の釣り場を連想してしまった。コレはコレで一つのスタイルなので、一概に悪いとは言えないけれど、少なくとも早朝から夕方までの長丁場になる釣りはオッチャンには辛いかも😖。

中禅寺湖の釣りに関して一つポジティブな点を挙げるなら、スプーンの釣りは興味深いという事。スプーンはルアーの元祖のような存在で、金属の板に針をつけただけのシンプルな構造をしているが故に、手元の操作がダイレクトにアクションに繋がる。派手なギミックが無い分、釣り人のスキルが釣果を左右するようで面白い。特にMKレイクスに代表されるスライドスプーンは、リトリーブを止めた瞬間からスライドを始める独特なルアーで、他の魚種で使っても面白いのではないかと思った。

まとめ

そんなこんなで貧果に終わってしまった中禅寺湖での釣り。それなりに得る所もあったのだけれど、前述の人の多さもあり、同地での釣りに関しては複雑な印象を持ってしまった。魚種の特異性とか美しい風景とかは魅力的だとは思うし、毎年の解禁発表によるイベント性も楽しい。が、再挑戦したいかと言うと…うーんどうかな。場所的に再々行きやすい所でも無いしね。

寧ろ、折角覚えたスプーンの釣りを他の場所で試してみたい気持ちの方が大きいかも知れない。同じトラウト系の中型魚を狙うもよし、海外に目を向ければカナダのキングサーモンもスプーンを使う。そう考えると夢は広がるかな。まぁ経験の幅が広がったという事で、今回はまとめておきましょう。

何だか最後まで言い訳がましくて歯切れ悪いな…次頑張ろう💪

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