前回の投稿で記した通り、GTを釣るどころかルアーのキャストすらままならない状況に陥っった今回の遠征。失望するやら恥ずかしいやら焦るやら、とにかくヤバい😱。
遠征前の練習で多少は掴みかけていたキャストのコツと自信が、ガラガラと崩れ落ちていく。時間は無いが、ゼロベースでもう一回自分のキャストを見直してみるしか無い。
目次
試行錯誤vol.2
2日目の午後、宿に帰り、改めて「8.3XXXH キャスティング」くらいのキーワードで、解決のヒントになるYouTubeの動画を必死で探しまくる。幸い、自分自身の荒川での練習動画とかバリの船上でのキャスティングを動画に撮って手元のSSDに保管しておいたので、比較対照はできる。何でも撮っとくもんだぜ。
そこはかとない違和感
数あるYouTube動画の中で、同じ竿(BC4 8.3XXXH)を使用したルアー試投動画を何度か観るうちに、自分のキャスト方法と比べてある種の違和感を感じた。動画のテーマとしては、数百グラム級のジャイアントベイトルアーをBC4 8.3XXXHで投げるというもの。以前も観た動画だったが、改めて自分のキャストと比べてみると決定的な何かが違う事に気づいた。この違和感は一体何だ?
ルアーをキャストしている動画主のフォームはペンデュラムに近いが、前の投稿で記したキャスト時のポイントと異なる点がいくつかある。先ず垂らしがえらく短い。また、体の捻りもほとんど使っていない。私見では、垂らしの長さは遠心力を稼ぐために必要だし、体の捻りはルアーを前に押し出す力を加算するため、これらの要素はペンデュラムキャストには必須と考えていた。にもかかわらず、これらの点が決定的に違う。
そして何より大きく異なるのが、テイクバック時のロッドの構え方だ。私がテイクバックする時、ロッドは後方45°くらいの角度に保持する事が多い。垂らしを長く取って深いテイクバックポジションを取れば、当然ルアーと地面(ボートの場合は床や船べり)と接触してしまう。また、荒川での練習時は背後に土手が迫っていたので、ある程度大きな角度で構える事は自ずと必須であった。ところが動画主のフォームではロッドは水平付近、時には水平より下に構えている事すらある。
最もこの動画の場合、使用しているルアーがジャイアントベイトなので、重量を支えるためにロッドを低く構えている可能性もある。更に裏付けを探すべく、別の動画を見つけた(動画主の方針上、他サイトへのエンベッドはできないという事で、リンクを貼らせていただく)。
https://youtu.be/czs0n6XS40I?si=anVgxr4ndfBrcuKM
上記動画主のキャストは45°どころか、水平位置より低い。それでいてルアーの飛距離は十分出ている。どうもこの辺りに、私のキャストの欠点が潜んでいそうな気がする。
正確なルアーの飛距離は不明だが、いずれの動画も50m以上は出ている。仮に長い垂らしも体の捻りも不要なら、今回私が今バリの海上で感じている困難も低減できる事になる。実際、テイクバックのフォームが解決の鍵なのか?もしそうなら、その理由は何だろう?
解決の糸口 ~ストローク長~
結論として、テイクバック時のフォームはやはりキャストを改善するための有効な方法であるように感じた。釣行3日目にして、今までより垂らしを数10cm短くしてルアーとアウトリガーとの干渉を回避し、意識的にロッドを水平~やや下方にテイクバックする事で、バックラッシュが劇的に減少した。ルアーの飛距離も十分出ている。
理由は恐らく、ロッドのストローク長にある。テイクバック時、45°より低く、水平~やや下方に構えた方がキャスト時にロッドが長い軌道を描き、ストロークを稼げる。模式図で示すと、下図のようなイメージ。
仮に、ルアーをキャストする際のロッドの動きを「初動→屈曲→収束」と大きく分けるとすると、屈曲にかける軌跡(ストローク)が長いほど、ロッドが曲がりこむ時間が稼げ、屈曲幅は大きくなる筈だ。村田基御大がいつも言っておられる通り、キャストの基本はロッドを曲げる事にある。ロッドを深く曲げる事によって大きな反発力が生まれ、ルアーを遠くに飛ばす事が可能になる(下図。バックラッシュについては後述)。
またロッドを大きく曲げる事は、ルアーの描く円運動における半径を実質的に短くする事になる。理論上は、ルアーをキャストするもう一つの力、遠心力も大きくする事ができる筈なのだ(下図)。
ほせおさん、ほされる
ロッドの曲がりはバックラッシュ防止にも関与してくる。先日Fishmanチャンネルに、キャスティング時のロッド曲げ位置の重要さを説明するコンテンツが上がっていた。時としてバックラッシュが生じるスタッフの「ほせお」さんのキャストの悪い点を、CEOの赤塚さんが修正するという内容である(キャスト矯正の話は03:09~)。
動画の要点は、「ティップが収束時にバタつく事により生じるバックラッシュを避けるため、ロッドが最大に曲がる位置を自分の頭上に持ってくる」というものだが、結局これはストロークを大きく稼ぐ必要性に繋がると思う。ロッドが曲がりこむ時間が稼げ、最大屈曲点を良い位置にコントロールしやすくなる。また屈曲~収束までの時間も十分取れるので、フィニッシュ時にロッドティップのバタつきが少なくなり、バックラッシュが生じにくくなる(下図、再掲)。
反省とリベンジ祈念
上記結論は自分の経験を元にしたもので、論理的でもあるとは思う。ただ理科の実験とは異なり、釣りの現場では理想状態における対照実験を行う事は事実上不可能でもある。実際、バックラッシュが生じ続けた時はかなり波の高い荒れた環境で、逆にキャストがうまく行き始めた時は凪と言えるほど海面が静かという差異もあった。そういう意味では、今回の仮説を裏付けるべく、もっと釣り場に行ってキャスト経験を増やす必要があると思う。
すいません、最近寒くて釣り行ってないす😂
もう一つ学ぶべき点は、「現場に合わせる」柔軟性ではないかと思う。今回の場合で言えば、アウトリガーが邪魔なら垂らしを短くしてみる、船が揺れるなら体を捻らないやり方を考える、と言った点だ。現場の制約を踏まえた上で自分の方法論を適切に調整するという発想があれば、もう少し早く解決のヒントが得られたのではないか。
一方、「それじゃ垂らしは短くていいの?」という新たな疑問が浮上してしまった。これに関しては十分な確証が得られていないので、今後の課題としたい。まぁブログネタが増えたって事で😁。
今回の遠征では狙ったターゲットは鰭すら見えなかったものの、ルアー釣りをする上で欠かせないキャスティングに関して今後に繋がる大きなヒントを得た気がする。もっと鍛錬と現場数を重ねる必要はあるけれど、今回のタックルでいつかGTを釣り上げてみたいと思う。
全国1,000万の悩めるベイトキャスターの方々、一緒に頑張りましょう‼💪✨